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フールのサブブログ

PFCS 用のサブブログです。黒髪ロング成分はあまり含まれておりません。

登りつめた男 PFCSss

 最初の頃はボディーガードしていやした。その他に普通の正規のアルバイトで生計をたてる、それは極貧な生活でしたよ。しかも、期日までに手柄をたてなきゃすぐに消される。いゃぁー、あの頃は大変だった。
 因みにその頃のあだ名が「ジジイ」。若い奴らが立ち上げた組織のなかで、俺だけ年齢が50を越していやした。そこからついたあだ名です。

 ただ、敵側のギャングを罠で暗殺した辺りから流れが変わりましてね。エルドラン正規軍の手口を偽装したんです。そしたら、ギャングの奴ら見事にエルドラン軍を逆恨みしていましたよ。たしか、最初にボスから誉められた時です。
 着実に成績を伸ばしていった俺は、やがてカジノ経営を任されるようになりやした。その傍らで宝くじを運営して小銭稼ぎ。

 さらに稼いだお金で事業を拡大。売春業と賭博業のオーナーをさせて頂やした。傍らで警察、弁護士、政治家に、はした金をばらまきあらかじめ懐柔しやした。敵に回すと結構やっかいなんですぜ。
 この時点で、一流ホテルの一室にすみ酒池肉林の生活を送るような毎日を巣子していやした。年収にして3500万円。

 そんななか、当時のボスが暗殺されかけまして、怖じ気づいたのか引退しちまったんです。
 後継人に俺が選ばれやした。当時、エルドランでは『ミズ』と『ホノヲ』と呼ばれる二大組織がドンパチしていたもんで、結構ヤバイ状態だったんです。ボスは営業向きで、暗殺にもたける俺に座を譲られやした。
 この頃には『ジジイ』では忍びないっつんで、『ワイズマン』と呼ばれるようになりやした。

 俺はある程度知名度が上がると、若手のギャングやヤクザらと密かに同盟を結びました。さらに会合を開き、共益主義を主張。当時は血縁主義や暴力主義だったギャングに一石を投じやした。

 まあ、まさか廊下であのおかたに話しかけられるとは思いませんでしたが。

 「ノア輪廻世界創造教はあなたの意見に賛同します。無駄な抗争ほど無意味なものはありません。これからもビジネスパートナーとしてよろしくお願いします」
 「ありがとうございやす。教王さま」

 それまではギャングは力とか暴力で人を従えていたんです。無能だろうがなんだろうが血筋が親玉の後を引き継ぐ、そりゃ非合理の塊のような集団でした。
 日々ギャング同士の殺りあいで金も体力も疲弊していく。そんなのは無駄です。これからはギャング同士結託して、全体の利益を追求すべきでしょう?

 俺は抗争には基本的には手を出さず、あくまで中立を貫きやした。

 しかし、当時の二大組織『ミズ』『ホノヲ』が抗争しているなか、どうしても片側につかなきゃならねぇって状況になっちまったんです。
 『ミズ』は妖怪差別が酷くて時代遅れ。『ホノヲ』はボスが威張って暴力ふるって下の奴らを無理矢理支配している古風な組織。どっちにしろ組織がデカイだけで将来性は0でした。
 そこで、俺は悟られることなく両方の組織にちょっかいをかけやした。適当な雑魚を罠にはめていたぶる。それをもう片方の組織のせいだと密告する。そうしていくうちに『ミズ』と『ホノヲ』の抗争はヒートアップして、両組織はどんどん疲弊していきやす。
 とうとう俺は『ホノヲ』に『ミズ』のリーダーの暗殺を命じられやした。
 俺は『ミズ』に与した演技をして、キャバクラに『ミズ』のボスをつれてきやした。きゃわいい女の子と遊んで、『ホノヲ』のボスをどういたぶるか話したあと、俺は用を足しにトイレに行ってきたんです。扉を閉めた瞬間、どたどたと物音がしたかと思うと、女どもの悲鳴が聞こえたかと思うと、急に静かになりやした。

 トイレから出ると、そこには全身をワイヤーで引き裂かれ絶命した『ミズ』のリーダーが。

 うわぉ!

 そして、俺の目算通り調子に乗った『ホノヲ』のリーダー。そいつを他のギャングらに許可をもらいつつ、入念に準備した上で暗殺。

 「みんな、殺っていいよな?」
 『どーぞどーぞ。好きにしろ』

 因みに『ホノヲ』のボスを殺したあと、俺に歯向かう輩を、全滅させろと部下に命令していやしたが、特になにも起こりやせんでした。なんででしょうね?

 俺は二大組織をぶっ潰したことで、ギャング界でも随一の切れ者として名を馳せました。

 俺は『ミズ』『ホノヲ』の縄張りだった場所を、エルドランの各都市のギャングたちのボスを集め、縄張りを公平に取り決め、明確化し統治しやした。

 犯罪組織の対立は以前の二大組織のように自滅を招く、目立たないことが重要であるとボスどもに進言。犯罪シンジケートを構築、さらに運営する上での取り決めを作り、合理化。さらに制裁組織の設立。いやぁ、我ながらよく実行出来たな……。

 「マダム・マーチャル、おたくんでも商売させてくれませんかね?」
 「好きにしな。あんたは精霊らしくない。変化を恐れない。変化と革新が武器だ。あんたなら少しはこの国を面白してくれるんだろう?」
 「さすがは大商人。懐が深いようで」
 
 実質裏社会の頂点にたったというのに、俺は決してギャングやヤクザらのトップではなく、あくまで一組織ということを強調しやした。『ワイズマン(賢人)』なんていう大層な名前はやめて、『オールドマン(老人)』と改名。俺らとお前らは同じギャングスターだ、ってな。
 公の場で支援金を渡してくるやからもいやしたが、俺は受け取りを拒否。上下関係なんて下らんものにすがる縁はないんでね。
 さらに一組織がトップを目指すようなことがないように協定を設立(内容は共益共生主義から逸脱した組織をぶっつぶすというもの)。
 この行いが功を奏しまして、他の犯罪組織からの信用を集めやした。これまでは一番を狙う輩しかいませんでしたからね。
 なんでてっぺんを名乗らないのかって?そんなことよりも金だよ金。ギャングのトップになるよりも商売繁盛の方がよっぽど大切だ。客さんは神様、神様の上に立ってどうやって商売するんですかい?

 そのあとは俺自身は直接犯罪に手を貸さず、各都市のギャングたちをクッションにして間接的に指示を出しやした。ギャングたちは自分の町を好き放題出来るからそれには万々歳。自分達は認められている、という確信も得られるため快く受け入れてくれやした。

 そのお陰で俺は訴えられても、完璧なアリバイを主張できやした。ひねくれた弁護士によって投獄されるも優秀な弁護士を雇い5000万円であっさりと釈放。

 野心家の弁護団につかまって投獄されたときも悠々自適な投獄ライフを送りやした(特別食、ラジオ、新聞あり。労働はしない。平然と面会を利用して組織に指示を出す)。なんせ、看守さまに袖の下を振る舞っていやすからね?

 因みにちょっとした暴動とか起きるかと覚悟しましたが、そのときも特になにもおこりやせんでした。

 挙げ句のはてにはエルドラン軍を犯罪組織のコネを利用して支援。恩赦で釈放。実質エルドランの上層を牛耳っている、ノア教と協力関係にあったんで、取り引きはとてもうまくいきやした。

 釈放後は競馬場や高級レストランに毎晩のように通いつめ、優雅に暮らしてやす。その傍ら公的な不動産業でも功績をあげやした。表では大商人。裏では大密輸商。いい響きだ。
 さらに俺は世界的に有名な組織にも接触していきやした。

 「いろんな国の物品が流れてきますぜ?ダンテのアネキにとっても悪い話じゃないはずです」
 「なるほどねぇ。あたしの港使う代わりに関税をくれるってわけね?」

 俺がエルドランの賭博場に行くと、彼に賄賂をもらっていた兵士や政治家が群がって握手を求めてきやす。権力のありがたみを感じますねぇ。

 今ではアンティノメルのギャング精霊(ダンテのアネキ)と手を組み、エルドラン、キスビット、ドレスタニア、アンティノメル、ルウリィド間の密輸ルートを確立。
 特にエルドランドレスタニア間は、仲介都市であるジネを掌握したことで名実ともに最高峰の密輸商となりやした。絶大な利益です。組織的な年俸は数千億にまで達しやした。
 さらに賄賂で雇った弁護士を利用してロンダリングしつつ投資にも手を出していますぜ。

 そして、ドレスタニアでは、

 「わかりやした。夜の掃除受けおりますぜ」
 「よろしく頼む」

 ガーナ王に夜のドレスタニアの清掃と引き換えに、協力関係(と言うなの相互利用)を結びやした。

 そして、一年前に解剖鬼の旦那と出会い、今にいたりやす。
 自分で言うのも難ですが、俺は数千億の金を牛耳る大密輸商なんです。が、俺は慎重な性格でね。表社会には顔を出していないし、組織内でも『老人』という二つ名で通っていやす。本名は闇のなか。まあ、俺の本名を知ったところでそんなやつ、どこの戸籍にもいやしませんがね。