カルマポリスの仮面召喚師(茶番)
カルマポリスにて、仮面の召喚師との戦闘中……
レウカド「過去の記憶を追体験させて、そこでここにいる皆が助けてくれた、という体で話を進める。こうすることで記憶は改竄できなくても心は救われるんだ。…始めるぞ。ゆっくりと息を吸え……ソラ、お前は子供だ」
ソラ「…俺は子供…俺は子供…ぼくは…子供…ぼくは……子供……」
レウカド「記憶を遡るぞ。1年前…2年前……3年前……。10年前…(よし、これくらいでいいだろう)。今君はどこにいる」
ソラ「…暗い部屋にいる…嫌だ…暗い…怖いよ…ぼくはどうして、こんな目にあっているの…」
ライスランドの先生「過去か。『15年前』私は何をしていたっけ……」
レウカド「あ、よせ!今年号に関して喋ったら!」
クライド「おい!なんかソラの様子がヤバイぞ。あきらかに監禁されていた頃よりも遡っているぞ」
ソラ「ッッ!!15年前…!?……ぼく…?ぼくは…あー…。あー…?みんな…?ふふ…楽しいな…」
※二歳まで幼児退行
先生「あ……」
レウカド「……失敗だ」
クライド(そっと目を逸らす)
レウカド「とりあえず元に戻す。3歳…4歳……」
クライド「えっと、ソラって何歳だっけ?」
先生「『20歳』くらいですかね?」
レウカド「おい!あんた!何度言ったらわかる!」
ソラ「…20歳?」
ソラ「…俺は20歳…ええ、俺は今とても幸せに暮らしています…シュンと一緒にいて…ルーカス様の寿命も近いですが…俺は警察として最高峰にいて…」
(ソラが20歳になった時を妄想)
先生「あれ?感情取り戻してませんか?」
クライド「下手したら今のソラさんよりも精神が安定していて、本人にとってもよさそうだな」
レウカド「……このまま目覚めさせるか」
先生はソラに猫だましをして起こした!
ソラ「ハッ!あれ…?俺はどうしてここに?…シュンは?何か、貴方達の話し声が聞こえて…」
ニコリ、とソラは微笑む。しかしその後悲しそうな顔になる。
「…何かがおかしい…」
レウカド「……敵のPF攻撃によって一時的に意識が17歳、つまり君から見て過去の世界に呼び込まれたらしい」
クライド「元に戻るまで少し時間があるんだ。今の……17歳のソラさんはトラウマと戦っていて疲れちゃってね」
先生「回復するまでの間、頼めるか?」
「…はい。大丈夫。…過去の世界…過去の俺?そうか…俺はトラウマと戦って、疲れちゃって…。
…うん。大丈夫だ。なんという能力だ、過去に来てしまう、なんて」
ほくそ笑むレウカド。
「オムビス!クォル!ソラが復活したぞ」
仮面の召喚師「チッ、あなたたち4人(クライド、先生、オムビス、クォル)にここまで苦戦するとは。しかし一人増えたところで戦力差は変わりません。どのみちこのまま、我が魔物たちの餌食です!!」
「俺は…さっきから、身体が頭に付いてきてくれません…!おかしい…!感情を解放したり…17の身体に入ったり…おかしいです…!
…レウカド先生…助けてください…苦しい…俺を元に戻して…」
ソラは元に戻して、の意味を20才の自分に戻して、と言っている。
仮面の召喚師「バカな!体調不良のはずなのにソラがここまで強いとは!ありえない、情報と違う!」
レウカドはソラの様子を見かねて、駆け寄った。
レウカド「……わかった。治療する。お代については3年後の俺に聞いてくれ。ゆっくりと深く息をして。…お前は17歳のソラ。…俺たちのよく知るソラだ」
「…三年後のレウカド先生…また会いましょう。
……深く息をする……俺は…ゆっくり年齢をくだる…19…18……17……。……おはよう、ございます……俺は何をしていたのでしょう…?記憶が空っぽです…」
レウカド「さあな、夢でも見ていたんじゃないのか?とりあえず落ち着いたらあいつらの援護に回ってくれ。今のあんたなら、もう大丈夫なはずだ」
「…はい。…不思議な夢を見た気がします。もう、大丈夫ですよ。ありがとうございます」
余談ですが、このあとカルマポリスの召喚師は無事、退治されました。