レウコトリカとルビネル PFCSss
解剖鬼「おい、ドクターレウカド。紹介状を持ってきた。いるか?……いないなら居座るぞ?」
ルビネル「えっ、そんなにフランクなんですか?ドレスタニアでは結構コワイと噂聞きましたが?」
兄「あんたの紹介状で来る患者は嫌な予感しかしないな…」
ルビネルを見つける。
兄「…はじめまして、医者のレウカドだ。怖がることはない」
妹「お仕事だー!」
どたどたと忙しない足音が中から聞こえる。
解剖鬼「大丈夫。私の患者ではかなりの常識人だ。って……んん?レウカド恋人いたのか?」
ルビネル「こちらこそはじめまして。ルビネルです(あっ……二人とも好みの顔……)」
黒髪を揺らしながら優雅に挨拶するルビネル。
妹「こんにちはー!」
ふたりに向かって挨拶をする。
レウカド先生「そうだ、恋人だな」
恋人というところを強調しつつレウコトリカを抱き寄せる。
妹「はじめまして!お兄ちゃんのレウカドと妹のレウコトリカです!」
解剖鬼「えっ……(嘘ぉ!顔も性格もまるで似てない!)。ゴホンッ!彼女は一応まだ学生だ。よろしく頼む」
今回は素直に立ち去ろうとする。
ルビネル「ご配慮感謝します。(向き直って)はじめましてレウコトリカさん!ちゃん付けしていい?」
解剖鬼「?!」
レウカド先生(動揺してるのをはじめて見た…)「ああ」
レウコトリカ「いーよー!ルビネルちゃんって呼んでいい?」
ルビネル「レウコトリカちゃんいいよ!えへへぇ~」
さりげなくレウコトリカと握手する。
「レウカド先生こんなに可愛い妹さんがいるなんて羨ましいです!」
一方でキラキラとした瞳をレウカドに向ける。
そそくさと立ち去る解剖鬼。
解剖鬼(レウカドの妹?あれが?え?ん?ルビネルってあんなに気さくだったっけ?あれ??)
レウコトリカ「わーい!ルビネルちゃん!兄さん!さっそくドレスタニアで友達できた!ともだち!」(本気で嬉しい)
レウカド「よかったな!」(本気で嬉しそう)
レウカド先生「フフ、クハハ…君は見る目のある学生だとわかった。診察費治療費、共に半額にしよう…」
レウカド先生(アイツ前に妹に会ったと言ってなかったか…?)
解剖鬼(ヤバヤバイ!出任せに嘘をついたのがバレる!後で口裏合わせようとしてたのにッ。クッ……ルビネルあとは任せたッ!本気でヤバヤバイ!)
ルビネル「本当に!ありがとうございます!レウカド先生優しいですねッ!レウコトリカちゃんもこんなお兄さんいて嬉しいよね~」
レウコトリカをナデナデ。
レウカド先生(まさかアイツ…)
レウカド先生「ルビネルさん、だったか、こんどあの解剖鬼に会ったら『楽しいデートをしましょうね』と伝えておいてくれ」
笑顔だが目だけが笑っていない。
レウコトリカ「兄さん優しいけど怒ると怖い!」
ルビネルの艶のある黒髪を撫で返す。
ルビネル「(怖ッ!)えっ……ええ。喜んで」
ルビネルのポケットからボールペンとメモ帳が飛び出し、宙に静止し、独りでにメモを取り出した。よく見るとメモ帳にもボールペンがくっつけてある。
「レウコトリカちゃんありがとう!もっと撫でて」
顔をレウコトリカに近づけた。
レウカド先生「…!びっくりした…それは妖術かなんかか」
レウコトリカ「いーよー」なでなでなで
レウカド先生(なんか近くないか…)
ルビネルはキリッとした表情にかわる。
ルビネル「妖怪の呪詛です。アルビダなので。もっとも、私の場合アトマイザーを用いないと発動すら出来ませんが……。(胸ポケットから香水容器を取り出す)」
その横でレウコトリカに撫でられまくる。撫でられるのが気に入ったらしい。
レウカド先生「ふむ、俺はこれしかしらんからな」
仕事道具の煙草を見せる。
ルビネル「因みにそれは呪詛の類い……それとも精霊の魔法?それを治療に使うんですか?」
レウカド先生「ああ、アルビダ特有の能力を煙にして吐くことによって引き出すらしい。これを治療にも使うがただのまやかしみたいなものさ。実際に効果を感じるのは短時間だけだ」
レウカド先生「ところで今日は何しに?」
レウコトリカ「レウに撫でられに来た!?」
ルビネルは顔を緩めてレウコトリカにと向き合う。
「そうそうレウコトリカちゃんに撫でてもらって癒されに……って、もちろんそれだけじゃありませんよ?最近なんか体がだるくって……」
レウカド先生にも微笑みかける
レウコトリカ「しんどいの?大丈夫?」
心配そうに見つめる。
レウコトリカ「兄さんお医者さんだから良くしてくれるよ!」
レウカド先生「寒気や生理不順はあるか?」
ルビネル「ええ……最近周期が狂ってて。ドクターは婦人科に詳しくないからってまわされたんです。検査値に異常がないから多分ストレス性だろうとは言われたんですけど……」
診断書をレウカド先生に見せる。(外科的には正常だったので大したことは書いていない)
ルビネル「心配してくれてありがとう」
レウカド先生「…俺もべつになんでもできるというわけではない…婦人病も…恥ずかしながら最近齧った程度だ。…こんなこと聞くのもなんだが、一週間ほど前に性交渉をしたことは?ストレス性だとしたらピルを処方させてもらうが」
レウコトリカ「せーりでおなかいたいの?」ルビネルの下腹部を撫でる。
ルビネル「フフフッ。『そういうこと』はしてません」
妖しく微笑みながらレウコトリカの肩に左手を置く。
ルビネル「ただ、最近で言えばハサマ王の過去を聞いたり、ドレスタニアの裏を知ってしまったり、禁術のエグい歴史を調べたり……色々と重なりましたね……」
レウコトリカの手に右手を被せる
レウカド先生「…研究熱心な学生ということか。ここでは婦人病の診察はやっていないから薬だけ処方させてもらう。違法だが」
レウコトリカ「んー?痛くない?」
ルビネル「痛くないよ~」
とうとうレウコトリカのほっぺたにまで手を出すルビネル。
ルビネル「レウカド先生、助かります……あっヤバこの触感癖になりそう!かわいいよレウコトリカかわいいよヨシヨシ!心配してくれてありがとうね」
レウコトリカにデレデレになってきた。
レウカド先生「ひっ…」
誰かを思い出して一瞬怯えている。
レウコトリカ「くすぐったいよ~えへへよかったあ」
ルビネル「むーにむーに♪あれ?どうしたんですか?レウカド先生」
少し悩んでから心配そうな顔でレウコトリカに聞く。
ルビネル「レウコトリカちゃん、何か私レウカド先生に変なことしたかなぁ?」
レウカド先生「いや!なんでもない…俺は薬をとってくる…」
レウコトリカ「なにもしてないと思うけどねー」
ほっぺたをむにむにしかえす。
ルビネル「うわぁー!気持ちー!えへへっ。ところでレウコトリカちゃんは趣味とかある?」
謎の頬っぺたムニムニ合戦が勃発する。
お兄ちゃんは別室にお薬取りに…
レウコトリカ「えー、なんだろー、きれいな石をあつめて、それでサンキャッチャー作り!お店の看板のもレウがつくったんだあ!」
学生「えっ!あれあなたが作ったの!綺麗だったな……看板に光が反射してキラキラして……。プロ顔負けじゃない!エライ!」
レウコトリカの両手を握って目を輝かせる。
レウコトリカ「占いのおばばに習った!レウ、首輪とか腕輪もつくれる!ルビネルちゃんに、作ったげる!」
ルビネル「本当にッ!いいの!?ホントーに!ありがとう!私も次来たときお菓子作ってくるね!」
喜びのあまり握った手を上下に振る。ほしいものを買ってもらった子供のような笑顔をする。
レウコトリカ「うん!いいよー!やった!お菓子楽しみー!」
戻ってきたお兄ちゃん
レウカド先生「な、仲良くなってるみたいでよかったな…ほら処方箋だ。寝る前に飲むだけでいい。正常な月経が始まったら飲むのを止めるんだ」
ルビネル「レウカド先生ありがとうございます。これでようやく安心です……」
優雅な手つきで処方箋を受けとる。
「ところで、レウカド先生……今度お礼をしたいので、また来てもいいですか
?是非……食べて頂きたいものがあるので……」
レウカド先生「あ、ああ…構わないが…ここはあまり食べ物を持ち込むのは…」
レウコトリカ「こんどお菓子とアクセサリー交換するんだあ」
レウカド先生「そうなのか、それなら…」
無邪気に笑いつつ、レウコトリカに
ルビネル「レウコトリカちゃん。ナイスフォロー!」
さらに、レウカド先生の唇に指を当てつつ、
「ええ、そうです。アクセサリーとお菓子を交換するだけですから……。フッ……フッ……フッ!」
妹の表情は自慢げだ。
レウカド先生「…う」
ルビネルの手をどける。何かを思い出して寒気を感じた。
レウカド先生「今日はもう…いいな…また今度だ。楽しみにはできそうもない」
察してすぐに手を引っ込めたルビネル。
ルビネル「あらぁ……苦手なんですね。ごめんなさい。……クスッ!わかりました」
一瞬で童顔の愛らしい顔に戻る。
「今のは忘れてくださいねっ!」
そしてレウコトリカと肩を組む。
ルビネル「ごめんね。お兄さんに嫌な思いをさせちゃったみたい」
レウカド先生「…ああ、お大事に」
レウコトリカ「うーん、兄さん女の子苦手みたいだから?」
ルビネル「……そっかぁ。何はともあれ、ありがとうございました!」
ルビネルは来たときと同じように礼儀正しく礼をして帰っていった。……何度も振り返ってはレウコトリカに手を振りながら。
レウコトリカ「今度はアクセサリーつくって待ってる!」
レウコトリカは手をぶんぶんと振り返した。