黒ロンとクリーム(百合注意) PFCS交流ss
頭には大きな角。背中から生えている骨の翼。足まで伸びる長髪。そして花のように可愛らしい顔。しかし、顔は少々お疲れ気味で、翼も今に止まりそう。彼女の名前はリリィちゃん。
最近あまり養分補給をしていなかったため、空腹による目眩で地面に向かってフラフラと落ちていった。
一方、カルマポリスの公園でベンチに座って本を読む女学生。腰まで届く黒髪を風になびかせ優雅に読書中。
「あぁ、なるほど……こんなプレイもあるのね……」
と、突然の自分の座っている場所が暗くなり、反射的に空を見上げた。
「えっ……!?白?」
「どいて〜〜なの〜〜〜」
ベンチに座っているルビネルめがけて落下していくリリィちゃん。
「あああ?!」
椅子に座るルビネルの上に、リリィちゃんが収まった。
「うぐっ……やわらかい……。何で私の足に女の子が座っているの?」
動揺して放り投げた本が、お土産の入った箱の上に落ちた。
「あいたた、なの……」
もそもそとリリィちゃんが体を動かす。
「ん?柔らかなの??(さわさわ)」
リリィちゃんはルビネルの太ももをさわさわしている!
「あっ……やめっ!そこはっ……」
ルビネルが敏感な場所を優しく触れられ身悶えする。
仕方ないので受け入れることにした彼女は、リリィちゃんの頭を軽く撫ではじめた。
「……イッ……!!?……フゥ……ハァ……あなた、どうしたの?迷子?」
「あわわ!ごめんなさいなの!!落っこちちゃったの!!」
頭を撫でられて人の上に落ちたことに気がついたリリィちゃん、慌ててルビネルの上から退こうとする。
「リリィ、飛んでたの。お腹減って落っこちちゃったの」
「あっ、あらそうなの?ふふっ、気にしなくて大丈夫よ」
ルビネルはリリィの顔を一目見て好みだと感じた。ドレスが似合っていてまるで人形のよう。離れようとするリリィそのまま抱き寄せる。
「私はルビネルよ。丁度おやつを買ってきたところなの。一緒に食べる?」
お土産の入った箱を手で引き寄せる。
「お、重たくないの??退くの」
リリィちゃんは抱き寄せられてびっくりした様で少し申し訳なさそうにもぞもぞしている。
「お菓子なの?何だかいい匂いなの……」
甘いものには目がない様で目がキラキラしている。
「ふふっ、冗談よ」
ルビネルはいたずらっぽく笑うと、リリィちゃんを丁寧に下ろしてあげた。
「おかしをあげるっていうのは本当だけどね」
そして、箱の蓋を繊細な手つきで開くと、中から黄色い生地で作られたボールのようなものを取り出した。クリームの甘い香りが漂う。
「わぁ〜!かわいいの!!!」
リリィちゃんのキラキラ度が増した。
「カルマポリスで食べられてるお菓子よ。シュークリームって言うの。ほら、食べさせてあげるから、口を空けて?」
一口大に生地をちぎって、リリィちゃんの口にゆっくりと近づける。
「あーん」
リリィちゃんは言われた通りにおとなしく口を開けて待っている。まず上顎から舌にかけてよだれが糸を引いて、そのあとプツリと切れる。
「いい子ね……。はい、どうぞ?」
そっと舌の上に生地をのせ、リリィちゃんの顎の下に軽く触れる。
「どう?美味しい?」
「はむっ、むぐむぐ……甘〜いの!!美味しいの!!」
リリィちゃんはへにょんとろんと緩みきった顔で幸せそうに味わっている。
「美味しそうに食べるのね。見ている私も幸せだわ」
ルビネルは残りのシュークリームを口の前に差し出した。
「ふふふっ、もっと食べていいのよ?」
「ほんとなの?くれるの!?」
リリィちゃんはまたあーんと口を開けて待っている。
「中のクリームだけ味わうのも美味しいのよ?」
先程ちぎって穴が開いた部分をリリィちゃんの舌にひたりとつける。
「中身を嘗めてごらんなさい?こぼしてもいいから……」
「ん……(ぺろっ)……甘いの〜♪」
幸せそうなリリィちゃん。
ほっぺにクリームがついてしまったことには気がついていないようだ。
「あらあら…」
ルビネルはリリィちゃんのほっぺたについたクリームを人差し指で掬いとると、そのまま自分の口へと運んだ。
レロッと粘液質なクリームを堪能すると、満足げに顔を歪ませる。
「その調子で奥まで舐めとってから残ったクリームを吸いとるのよ。一滴のこさず、丁寧にね。食べきったら次のをあげるわ」
「ペロペロ、ちゅっ、もぐもぐ……」
夢中で食べるリリィちゃん。溢れるクリームを舐めとったり吸い取ったりするも、小さい口では受けとめきれずに手や頬がクリームでベタベタに汚れてしまっている。
「フッ…フッ…フッ!しっかりとお掃除しましょうね」
シュークリームを持つ手とは反対の方の手で、リリィちゃんの手首を軽く握ると、指についたクリームを丹念に舌で掃除しはじめた。
レロッ……
クチュッ……
ズルゥ………
ハァ……ハァ………
「んむっ!?」
突然指を舐められてびっくりするリリィちゃん。
「く、くすぐったいの……ひゃぁっ!?」
「ヌプッ……ヌチッ……ヌチャッ……ンッ……ンッ……」
リリィちゃんが不快に思わないよう気づかいつつ、舌と唇を使い、丹念に指をしごいていく。ルビネルとリリィの指の狭間から唾液による粘着質な音が漏れる。
「ヌポォ……どうしたの、食べないの?」
「な、なんか、変なの……」
リリィちゃんは顔を真っ赤にして俯いてしまった。
前髪の間からチラチラとルビネルの様子を伺う目がのぞいている。
「へぇ、結構素直なのね」
ルビネルはくぱぁっと大きく口を開くと、一旦口を指から離した。そして、ピンク色の舌でリリィちゃんの指の根本から先端にかけて、何度も撫でていく。
「感度も上々……」
「うう〜、もう綺麗なの。大丈夫なの……」
リリィちゃんはちょっと涙目だ。
腕を掴まれているので引っ込めるに引っ込められずにもぞもぞと居心地悪そうにしている。
ルビネルは少し申し訳無さそうに微笑むと、最後に口づけをしてから、リリィちゃんの手を解放した。
「ごめんなさい、やり過ぎちゃったわね」
そっとシュークリームをリリィちゃんに渡す。
「ううん、ありがと、なの」
シュークリームを受け取って俯いてしまったが、リリィちゃんの髪の毛の隙間から見える耳は赤く染まっている。
「フッ……フッ……フッ!今のアナタ、すごくかわいいわ……」
満面の笑みで身を震わすルビネル。シュークリームを一つ取ると皮をかじりとり、白いクリームを舌の上に流し込む。そのあと、皮を味わいつつ食した。
「……どうする?まだ続ける……?」
「むぐ……お腹いっぱいなの……」
リリィちゃんは二つ目のシュークリームを半分ほどしかたべられていない。
「もったいないの、……食べかけだけど、お姉さん食べるの?」
手に持っている食べかけシュークリームを差し出した。
「じゃあ、もらっちゃおうかな?」
ルビネルはシュークリームをつまみ上げると、恍惚とした表情でしゃぶりつく。皮を、クリームを、妖しい舌使いで蹂躙する。荒い息づかいでまるで何かにとりつかれたかのように。
シューの最後の一口を食べ終えると、今度は口の回りについた白いクリームを指でぬぐってはなめていく。
「濃くて……おいしい……」
ルビネルがシュークリームを食べる様子をリリィちゃんはちょっと頬を染めながら眺めている。
(何だかいけないものを見てるような気分なの……)
ルビネルは一かけも残さずシュークリームを完食した。
「このお菓子、とっても美味しかったの!ルビネルお姉さん、ありがとうなの!!」
リリィちゃんはニコッと可愛らしく笑った。
ルビネルはリリィちゃんに見せつけるかのように、指を口の中からヌポッと引き抜いた。
「フフフッ!こちらこそ、楽しい一時をありがとう」
無邪気な笑みを浮かべてリリィちゃんを見つめる。さっきまでの雰囲気が嘘のような変わりようだ。
「えへへ〜、ルビネルお姉さんはいい人なの。また会えるといいの!」
リリィちゃんはベンチから立ち上がる。
「食べ物くれてありがとなの、お礼、なの」
そういうとリリィちゃんはベンチに座っているルビネルの頬に軽く触れるだけのキスをしてフワリと飛び上がった。
「ひぇっ!あ……うん……こちらこそアリガト……。まっ……またアエルトいいわねぇ~」
ルビネルは震えること声で返事をした。顔を真っ赤にしてリリィに手を振る。なんだか動きがぎこちない。
「バイバイなの!!」
そういうとリリィちゃんは再び飛び去っていった。
ルビネルは謎の羞恥心に押し潰され、今にも泣きそうな顔でリリィちゃんを見守った。