フールのサブブログ

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エウスオーファンへの珍客

pfcs-sakatsu.hateblo.jp

http://pfcs-sakatsu.hateblo.jp/entry/2017/11/20/144555


⬆こちらを読むとより楽しめます。



登場人物

エウス村長:

キスビット国タミューサ村の村長。嗅覚に非常に優れ、臭いで敵の考えていることがある程度わかったりする。それを経験と組み合わせて戦うことでタイマン勝負ではかなりの実力を発揮する。また、投擲も得意でダガーをはじめとする数々の小物を正確に相手にぶち当てる技術を持つ。


ルビネル:

条件つきだが、ボールペンを操る能力を持つ。一度につき15~18本くらい操ることができ、それを利用して滑空したり体術を強化したりできる。



 エウス村長が自室で書き物をしているとドアをノックする音が聞こえた。


エウス「入りなさい」


ルビネル「エウス村長に相談するのが流行っていると聞いて」


エウス「ルビネル、なにか勘違いをしていないか? まあ、いいか。相談とは?」


ルビネル「この前邪神ビットと戦ったとき、」


エウス 「ふむ」


ルビネル「私あまり貢献できなくて」


エウス「君はビットに止め刺したじゃないか。あの場にいなかったら状況は打開できなかった」


ルビネル「ですが、普段私は非力でか弱いただの学生です。もっと強くなりたいんです」


エウス「そんなことはない。一対一で勝負したら私は君に勝てないだろう」


ルビネル「まさか、そんなことあり得ません」


エウス「君は遠距離からペンを操ることができる。間合いの外から攻撃されたら、私は君に近づくことすらできない」


ルビネル「ペンの動きを臭いで感知されても、ですか?」


エウス「だとしても、だ。君が的確にボールペンを配置すれば、鉄壁の布陣を引くことができる。いくら動きを見きったところで、反撃に移る隙がなければ私は決して君を傷つけることはできない」


ルビネル「私の攻撃中、物陰に隠れられ背後から接近されたら私に勝機はありません。私の能力は視界に大きく頼っています。背後に関しては目を瞑って戦うようなものです。それに視界が悪ければ私は能力の発動すら困難になります」


エウス「物陰がない方向に誘導することや、相手が物陰でどう行動するかはある程度予想がつくだろう?」


ルビネル「予想した段階でエウス村長に思考を読まれて敗北濃厚です」


エウス「君は道具の使用にも長けているだろう? 解剖鬼のように閃光爆弾を用いれば......」


ルビネル「目を背けて両腕で目を隠せば対処可能です」


エウス「私が閃光爆弾の対処をしている時に攻撃すればいいだろう。私はこの間無防備になる。さすがにその状態でボールペンを投げられたら回避困難だ」


ルビネル「閃光弾を投げると意識した時点であなたに動きを察知される上に、ボールペンの動きに隙ができます。その一瞬の間にナイフを投げられれば私は回避が遅れるはず。そうなれば、私は強引にナイフを処理する他ありません。一時的に無防備になるでしょう。エウス村長なら統率の乱れたボールペンの結界を破り、体術で応戦できるはずです」


エウス「もし仮に接近戦を挑んだとしても、君のボールペンと体術を同時に相手にはできない」


ルビネル「それなら遠距離攻撃に徹すればいいのです。私は身を守るので精一杯。いつか呪詛を維持する体力もつくはず。そうなれば村長あなたの勝ちです」


エウス「さすがだよ。私の完敗だ。私の言葉に即座に返答する、君の発想力と判断力には私は勝てない」


ルビネル「ありがとうございます」


エウス「それに私は君を尊敬している。私たちの助けがあったとはいえ、あの邪神からたった一人でアウレイスを救いだした。君ほどの愛と勇気を持ち合わせた人は滅多にいない。君と出会えたことを誇りに思う」


ルビネル「ありがとうございます」


エウス「君は十分な力を持っている。今の君はそれを生かしきれていないだけだ」


ルビネル「お褒めの言葉素直に受けとります」


エウス「だからこと、私は君に味方でいてほしいと思っている」


ルビネル「ええ?」


エウス「だってそうだろう? 私はルビネルに勝ち目はないのだから」


ルビネル「フフッ。いつでも私はあなたの味方ですよ。私があなたを裏切ることなどあろうはずがございません」


エウス「ありがたい。相談は以上かな?」


ルビネル「はい!」


エウス「最後にひとつ聞きたい」


ルビネル「はい?」


エウス「誰の差し金だ? 私に嘘はつけないぞ?」


ルビネル「......エウス村長は優秀な戦略家だから戦術や作戦に関しての口論に勝つことができれば、あらゆる場面に対応することのできる柔軟な頭脳と判断力が身に付く、と。例の老人に言われまして......」


エウス「わかった。正直に話してくれてありがとう」


ルビネル「失礼しましたっ!」



 論理のすり替えに気づかないとはルビネルもまだまだ未熟だな......。

 ルビネルの場合、アウレイスのことを引き合いに出すとひどく動揺して思考がとても読みやすくなる。そうでなくても、彼女は精神状態が判断力に直接響く。戦術や戦法以前に彼女の弱点はみかけよりずっと多い。もっともこれは本人が一番よく自覚しているはず。これからの成長に期待しようか。

 そんなことを考えつつエウス村長は雑務に戻った。