夢見る機械のオープニングイメージを作ってみた
映画とかでよくある冒頭の「観客を引き込むために本編とはあまり関係ないけど派手な事件」を書いてみました。
ーー数ヵ月前
壁に大量のモニターが設置されている部屋の中、無線と怒号が飛び交っていた。
「第二楝壊滅!」
<目標を発見、第三楝に向けて進行中。至急現地にバックアップを>
<グレネード! グレネード! ぬぁっ>
コンピュータを操作している人も全員額に汗が滲んでいた。指揮官は顔をひきつらせながらキビキビと部下に命令を出している。手に持つワインはとっくに空である。
<こちらマクラウド!現場に向かった人間10名、妖怪7名、精霊13名、竜人2名、全滅!>
<誰か助けてくれぇ!>
「増援は遅れねぇ! 野郎共、持ちこたえろ!」
無線に銃撃音が混じる。
「司令官、このままでは本部が落ちるのも時間の問題です!」
「連合軍から逃れたギーガンとアルベルトがあと30分ほどで到着!」
「ギャングやマフィアに応援を要請しているが返答ない! あんの役立たずが!」
頭を抱えながら司令官が口を開いた。
「敵は一人だけ、それも少女だろうがっ!」
司令官の怒鳴り声にモニターを見ていた人物が反撃する。
「彼女には数万の子供の魂が搭載されているんですよ!? 勝てるわけが......」
「それがどうした! 何人の魂を持とうと一人は一人だ! 弱点もわかってんだろ!」
<グフッ......司令逃げてください! 敵が! あの女が来ます!>
司令官の目に閃光が走った。あまりの轟音に鼓膜が破壊され音が消え失せた。仲間の叫び声が一瞬聞こえた気がした。
かろうじて見えたのは、ウェディングドレスを身にまとった空色の髪を持つ少女だった。左目に傷が刻まれている。
「クソッ! この化け物が!」
司令官はなんとか立ち上がり銃を構えた。
彼女の肉体に銃弾が飲み込まれていく。だが、何歩か後ずさっただけで効果はなかった。
花嫁の両腕が銀色の液体と化し、意思を持つかのようにうごめき変形していく。そしてガトリング砲を彷彿とさせる姿へと変化した。
「まってくれ、お前を兵器として産み出したのは侘びるから情けを......」