四医師集結 クレインの開口手術 PFCSss
「これほどの名医が集まるとは光栄の至りだな」
ペストマスクをつけた黒いコートに身を包んだ怪しい人。その実態は自殺志願者を安楽死させ、解剖し、その情報を医療機関に提供する、通称解剖鬼。
「ドレスタニアのレウカドだ。今日はよろしく頼む」
端麗な顔で治療目的でない患者すら引き寄せる、ドレスタニアの闇医者、ドクターレウカドが挨拶する。煙菅から出る煙を部屋に充満させ、幻術を治療の補助に使う珍しい医師である。薬草や薬品にも精通しており、普通の医師では対処できないような難題も軽々と解決する。
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「同じくドレスタニアのハナヤよ。こんな歳だけどまだまだ現役だからね?」
ドレスタニアで長く診療所を勤めるハナヤさん。ご高齢のようだが天使のような笑顔が実年齢をわからなくする。癒しの力を使うことができる。
大抵なら見ただけで病名から解決法まで思い浮かぶ熟練の医師である。
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「エルドスドのセンセーだ。あーはっはっはっは!」
下駄に白衣に丸眼鏡という外見から、女に見えないことで定評のある通称センセー。ソバカスがチャームポイント。エルドスドで診療所を開いているが、とにかく腕がスゴい。救命病院の最先端で活躍していたという噂もある。どんな患者でも真摯に接し、利害に関わらず全力で治療を行う真の医者だ。
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クレイン。今回の患者。すんごくイケメン。
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センセー「あーっはっはっは!採血の結果が出たぞ」
解剖鬼「白血球高値か。急性炎症か?CRPは?」
センセー「ああ、まだ低いが恐らく上がり始めだろう。ついでにCreなんかの腎機能に関わるところで異常値が出ているぞ。尿の排泄障害だな。ついでにALT、ASTも高い」
ハナヤさん「っていうことは肝臓も悪いんだねぇ。かわいそうに。恐らく薬物によるものだね……」
レウカド「それにしてもこの血液……ピンク色だ。乳び(にゅうび)しているな。中性脂肪の値も偽高値。前日唐揚げかなんかをやけ食いしたな?それに尿酸も高いのか」
解剖鬼「酒、肉、そして麻薬。これだけやっているんだ。どこが異常でもおかしくない。HbA1cが高いところを見るに、甘いものも大好きだな?」
センセー「悪習の塊だな。あーっはっはっは!さて、診察に写るか」
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レウカド先生に「あの…これ治せますか…」って大事なトコロを見せるクレイン……
残念なイケメンである。
レウカド先生「あんた……、何をしたらそうなるんだ?」
解剖鬼「遺伝子レベルでズタズタにされている」
センセー「こりゃアタシにも叶わん」
ハナヤさん「これは……かわいそうに。さぞや痛かっただろう?」
クレイン「一瞬目の前がくらんだと思ったら俺の息子が無くなってたんだ…」
内科医(レウカド)「どうする?」
外科医(解剖鬼)「とりあえず『開通』させとくか」
町医者(ハナヤさん)「もっと大きな病院で診てもらった方がいいかもねぇ」
腕のいい医者(センセー)「あーっはっはっは。大丈夫、それを失ったくらいで死にはせんよ」
クレイン「治せるなら治してくれぇ!!報酬は麻薬500mg…こんな大量のモン滅多に手に入らねぇぞ!」
ペストマスク(解剖鬼)「魅力的な報酬だ。丁度末期癌の患者がいてな」
メス顔(レウカド)「もらったら、アウトなんじゃないか?これ」
面倒見のいいお婆さん(ハナヤさん)「私と一緒に薬をやめる努力をしましょう……」
丸メガネ(センセー)「止めたほうが身のためだぞ?」
クレイン「これしか報酬を用意出来ないんだ!ペストマスクの彼よ、貰ってくれ!!」
犯罪者(解剖鬼)「よかろう。これを麻酔に使おう。レウカド、煎じてくれるか」
犯罪未遂(レウカド先生)「わかった。それなら合法だ。俺も手伝おう」
聖母(ハナヤさん)「手を握っているから、頑張るんだよ?(さりげなく癒しの力)」
まともな医師(センセー)「じゃ、さっそく手術道具用意してくる(ゲタの音)」
クレイン「助かる。だからとっとと治療しやがれ!!」
※なお何をどう頑張ってもダンテの見た脚本いわく治せない模様
紫煙が充満した部屋にて
ガシャン!ザクッドシュ!
バァン!ドドド!
「レウカドさらにメス!あと、センセー電気ドリルをお願いできるか?ハナヤさん癒しの力を全開にしてくれ!」
「持ってきたぞ!いっちょやったる!」
「センセー、恩に着る」
キュイイイイイン!ガガガガガガガガ!!!
「これが山場だよ!頑張ってたえるんだよ!」
数分後
解剖鬼「やった!術式成功!尿道が開通したぞ!皆のお陰だ!」
レウカド「はぁ……、あんた、普通に医者やった方が絶対いいぞ?」
ハナヤ「よかったね!よく頑張ったね(ナデナデ)」
センセー「ハッーハッハ!名医が四人も揃えば怖いことなし!」
クレイン「助かった(尿道だけだが…)。おいペストマスクの奴、報酬だぞ。(どこからか麻薬を取り出した。)
しかしもうアルビダは見たくない。俺の親がアルビダなのが親不孝だな」
※なお繁殖機能は……
ペストマスク「……足りない。四人分だ。これだけの医師を集めるのにいくらかかったと思っている」
レウカド「病院は入院費を払いたくなくて、退院間近に逃げ出すやつがあとを経たない」
ハナヤ「残念だけど事実なの」
センセー「(メガネをクイッ)」
クレイン「チキショーー!!四人分なんて持ってねぇよ!!っていうかお前ら…やめろぉお!!(幻覚を見せる。地面が割れる幻覚をだ。クレインはそれを使いそそくさと麻薬を起き逃げ出した)」
「ドクターレウカド、能力影響下なのにわざと取り逃がすとは……」
「あんた……さすがにあそこまですると、患者が来なくなるぞ。次回につなげられるようもっと工夫を……」
「まあいいんじゃないかね?元気になったんだし(ニッコリ)」
「おっし!お開きにするか!」